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続・マイクロ・デポの中古車論

むしろ、低成長時代は良質な中古車を購入するチャンス

 注:このコーナーは10余年前に当社ウェブサイトを立ち上げた当初から、初めてイタリア製やフランス製のラテン系中古車をお買い求めになろうとするお客様に、 ビギナーにはなかなか難しいと云われてきたラテン系中古車選びのコツを専門店の知見より正直にお伝えしようという意図のもとアップし続けてきたマイクロ・デポの中古車論と題した一文の続編として、 2008年の年末にアップしたものです。あれからちょうど2年が経ちました(2010年12月付記)。

 平成に入ってからの長期間に亘る低成長時代の中で定着してしまったデフレ傾向や、若者のクルマばなれ、さらに昨今のエコブーム、とどめにこのコーナーが書かれる直前に起こった、米国のいわゆる 「リーマンショック」に端を発する現在の世界同時不況などにより、外国車中古車の絶対価格は、ここ十余年前に比べて本当に安価になりました。そういった意味では、市場に出回るほとんどすべての 中古車が掘り出し物状態であると云うこともできます。一部の車種を除いて、この傾向は現在でも続いております(2010年12月付記)。

 但し外国車、特に欧州車の場合にはユーロ高などを理由に、維持するために必要な交換部品代などは一向に安くならないばかりか高くなる一方で放置されております。ここは、ほんの少し改善されてきている感じがします(2010年12月付記)。

 また、ここ十年の間に製造されてきた欧州車は、品質とアフターサービスに優れた日本製自動車との市場対抗上、新車時の絶対販売価格をさげるための企業努力(コストダウン)と早期の買い替えを 誘発させるために装備する陳腐かつ未完成な新技術導入などにより、欧州車本来の持ち味である長期間使い込む楽しさが著しく損なわれてしまった感じがいたします。

 そのような中にあっても昔ながらの味を残しつつ、良心的に製造されたクルマは少なからずあります。そういったクルマこそ、これから長い間大事にしていくべき価値のあるものです。またすでにある中古車を、 多少コストや手間が掛かっても、手入れをしながら丁寧に扱っていく態度こそが、自動車の世界における「真のエコ」であると思います。そんなことも考えつつお読みください。


以下本文

 昨年(平成20年)の秋ぐちくらいから、景気がアヤシクなってまいりまして、我が外車中古車業界にも「逆風(泣)」が吹き荒れている模様です。マイクロ・デポの場合は、もともと「平成大不況」 の渦中に誕生したという経緯があり(だから不景気に耐性がある:笑)、景気の良し悪しに関わらず「あんまり儲からない(大泣)」ながらも「なんとか喰える」のは、全国のマセラティや旧いマシン達を 愛好する当店顧客の皆々様のおかげと、マイクロ・デポ:岡本三兄弟一同、バックオーダー車の納車作業を泣きながら遂行しつつ(笑)、本当に感謝いたしております。

 で、あんまりマスコミが、「不景気」だの「リストラ」だの「解雇」だの「先行き不透明」だの「国民不在の政治」だの、「年金はどうなる」だの「総理大臣は字が読めない(笑)」だのと毎日騒ぎ立てるもんで、本来は景気に左右されない職種の方々にあっても、特にその関係者(多くの場合は奥方様:笑)がすっかりマスコミの煽動に踊らされてしまって、「気分はもう、不景気(笑泣)」。 ご主人が「変態イタリア旧車」など、ひとたび「買おうかな」なんて云おうものなら、ご家族・関係者一同で「大反対」の大合唱・・・。
 違うんだよなあ・・・、違うの!こういう時こそ「買い」なの。チャンスなの。不景気に左右されない自信のある業種に従事なさっている方々にとっては、特にそう。多少ボーナスが減額しちゃいそうな方々でも・・・、 買い方間違えなけりゃ大丈夫。

  • マセラティ3200GT(マセラティ3200GT)
  • マセラティクアトロポルテ エボルツオーネ(マセラティクアトロポルテエボルツオーネ)
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  • マセラティ222(マセラティ222SE)
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  • マセラティビトルボ425
  • マセラティでイッてみよう!:2
  • マイクロ・デポ株式会社 マセラティと旧車の専門店 〒179-0071 東京都練馬区旭町1-41-16 TEL:03-5968-4717 FAX:03-5968-4718

 今となっては懐かしい「バブル景気」も華やかなりし頃、ワタシ達「普通のヒト」にとっては、「外車」という響きがなんと遠いものに思えたことでしょう。メルセデスもBMWも、フェラーリも、 そしてマセラティも、「持ってるだけで値段が上がる」から、金持ち達が「投資」の対象にしてたコトさえありました。新車なんか、人気のあるものはプレミア価格(定価より高い)で売られているのが 「ごくごく普通」の光景で、こんなクルマは「土地コロガシ」でもして、「アブクゼニ」と云うにはあまりにも巨額な利益を上げちゃった会社の経営者たちが、「節税対策」の一環として買ったモンです。 ゴルフの会員権なんかも、そう。そんな頃、クルマ用のクレジット(ローン)の実質年利なんて、17%(!)なんてのが普通で、スゴイところでは、25%なんていうのもあったりしたらしいです。 だから、我々みたいな「一般大衆」は、「会社は当面安泰だし、モチロン終身雇用制。ボーナスもたくさん出るみたい。残業、残業で稼ぎはウハウハ(笑)」であったハズなのに、お目当てのクルマの方は、 中古車でも価格が日々ウナギのぼり。どんなに稼いで貯金しても、アッチがどんどん遠のいて行くんですよ、コレが。おまけに、ローンは組めても金利がアレだから、勿体無くて抵抗感も強いでしょ。 だから、今より誰しもが気分的には「盛り上がって」「イケイケ(ありましたな、こういう流行語:笑)」だったけれども、多くのヒトにとっては結局「イタ車」なんて、手が出せなかったんですよ。 フィアットウーノターボですら、「高嶺(高値)の花」だったんですから。「ジュリアナ東京」だって行ったコト無いぞ、ワタシは(笑)。

 お次が、「湾岸戦争」に端を発した不景気風が吹き荒れた時代。世に言う「バブル崩壊」に始まる「平成の大不況」です。今度はさんざん上がりきってた「モノの価値(値段)」が下落する一方。 給料も下がるばかり。モノの値段は下がれど、ボーナスもカットじゃ、イタ旧車なんか買う気も起きませんね。ところが、現在当店のユーザーとして定着してくださっている方々の多くは、この時期に 「変態イタ車道」に入門してきた方々でして、失礼ながら(笑)実にキトクと申しましょうか、今や「スジ金入り」であることは云うまでもありません。しかしながら、その入門にあたっては、 皆さん数々の困難を突破してまいりました。特に、サラリーマンや自営業の方の場合、ご家族や親族による「いわれなき強固な反対」というのがある。それを、「ブッちぎれる」かどうかが、一つのカギ。 当店では有難いことに、今でこそご信頼を頂戴し、お客さん方と家族ぐるみのお付き合いをさせて頂けておりますが、初めて御来店の段階では「険悪なムード」をあからさまに漂わせた奥様方も ひとりやふたりではありませんでした(心当たりのある方、ゴメンなさい:笑)ぞ。口もきいてもらえなかったモンなあ。それが、今では「イタ車無しの生活」なんて考えられないとばかりに、 「イケイケ」になっちゃってる奥さんもいらっしゃいます。当店が標榜してきた、「マセラティや旧いイタ車のある暮らし」というのを、ご家族ともどもご理解頂けて、本当に嬉しいです。

 その後は「IT長者」だの、「不動産のプチバブル」だのと、盛り上がってるヒトがいる一方で、一般のサラリーマンは「リストラ」の悪夢に苛まれ、会社に残れれば残れたで、「ハードな残業の日々ばかり」。 休みも満足に取れず、もうクタクタ。リストラされた方々は再就職にアタマを悩ませ、非正規労働にやむなく従事。これが、「勝ち組・負け組」の時代。多くのヒトビトは、旧いイタ車なんて、 やっぱり買ってる場合じゃないと思っていたコトでしょう。でも、ウチのお客さんは、やっぱり「淡々と」イタ車道を邁進してました(笑)。

 で、米国の「リーマンショック」に端を発する「世界同時不況」。マスコミは「100年に一度の恐慌がやってくる」と例によって無責任にサンザンアオってくれました。しかしながら、 「自我」をキチンと確立した上に、「ラテンの陽気さ」を湛えた当店のユーザー諸氏は相変わらずマイクロ・デポを支えてくださっております。でも、新規のお客さんは、なかなか「あと一歩」が踏み出せない(泣)。 今こそが、「それこそ100年に一度(笑)」のチャンスかもしれないのに。「あー、もったいない!」

 ハイ、ここからが本題です。1980年代後半からの我が国における好不況の波を概観してまいりましたが、結局のところ、収入の増減、将来への展望(希望)の有無、職場や家庭の現況の変化の有無などに関わらず、 「イタ車を持つことができ、それによって人生を楽しめるヒト」と「他の生きがいをもちつつ、イタ車を終生持てないヒト」は、「生き方」や「価値感」の相違によって、ハッキリ分かれてしまうものなのだなあと つくづく感じます。「買うヒトは何があっても、買い続ける」これが、十数年イタ車屋をやって得た、ワタシの一つの結論です。

 基本的には、「イタリア車のそれも、旧車」なんてモノは、そもそも我が国では「好不況に関係なく」買いにくいものなんです。すでに欧州車を何台も乗り継いできた方でも、皆さん、「イタリア車のそれも、旧車」 を見る目は、初めから猜疑心に満ちているように思います。それを具体的に言葉にすれば「イタ旧車に羨望や好奇心は充分あるのだが、売ってる店の質が判断しにくい、アフターサービスの問題はキチンとしてるのか、 故障が多く、また治らないのではないか、部品は大丈夫なのか、自動車保険には入れるのか、また、そのコストも高くつくのではないか」という感じ。要は、「不確定要素のカタマリ」ということでしょう。

 当店のお客さんでも、「結婚」や「出産」、「親御さんの高齢化」や「お子さんの私立進学」などを理由に、一旦国産車の新車にいったりするヒトがいらっしゃいます。それは、それでいいんです。で、 また「問題要素」が解決し、「イタ車の虫」がムズムズしてきたら、戻ってきてくれればいいと。何事もムリはいけません。人生はクルマだけではないんですから。しかしながら、「返り咲きのお客さん」がお見えに なってくれるのは、本当に嬉しいものです。有難いコトだと思っております。

つづけて、マイクロ・デポの中古車論を読む


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