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マイクロ・デポの中古車論


 注:このコーナーは10余年前に当社ウェブサイトを立ち上げた当初から、初めてイタリア製やフランス製のラテン系中古車をお買い求めになろうとするお客様に、 ビギナーにはなかなか難しいと云われてきたラテン系中古車選びのコツを専門店の知見より正直にお伝えしようという意図のもとアップし続けてきたものに、若干の改稿を施したものです。 しかしながら、この内容は現在の視点で見ても大筋でハズれたものにはなっておりません。では、どうぞ。


以下本文

  なんだかいかめしい題名ですが、まあ、そんなに堅苦しい話じゃないので聞いて下さい。

 当店では、日頃より「中古車に掘り出し物無し!」とお客様に明言させていただいております。特に、この傾向は希少車に顕著なんですが・・・。順を追ってご説明しますネ。

1:まず希少車=不人気であること(が多い)・・・中古の流通量が少ないというのは新車時に売れなかった証拠ですね。

2:オーナーがその車にお金を掛けない(ことが多い)・・・リセールバリューが見込めないからだと推測されますが、年を経て車がイタむほど、この傾向は顕著になります。

3:そうして、せまりくる恐怖の車検時整備費用を考えると、いてもたってもいられなくなる。

4:買い取り業者へや、下取り車として二束三文にて売却

5:その車が(たいてい、こわれっぱなしの要整備状態で)業者間の中古車市場に流れます。

6:仕入れたお店は、早く売りさばきたいのでこれまた激安プライスをつけて販売したいと考えますが、その激安の売値を考えると加修費はとても掛けられません

7:そこで商談の場では、お店の方から「このクルマは、こんなもんですよ」との有り難いお言葉を頂くことになります。

8:(うちは専門店なのでよくわかりますが)安い値段の希少車に興味を示すお客様は、えてして車に関してマゾ(笑)の気があります。(泣笑)

9:そういったお客様は本来の故障や不具合を、そのクルマの「味」なんだと善意に解釈してしまいます。(泣)

10:かくして、納車の瞬間から多くの問題を抱えたクルマが新たなオーナーとともに泣き笑いを演じはじめます。

11:なにしろ、もとより苦難の道。そのクルマの維持は困難を極めます。

12:そんなわけで、不具合箇所はさらにグレードアップ(ダウン?)して進化します。

  • マセラティ3200GT(マセラティ3200GT)
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  • マセラティでイッてみよう!:2
  • マイクロ・デポ株式会社 マセラティと旧車の専門店 〒179-0071 東京都練馬区旭町1-41-16 TEL:03-5968-4717 FAX:03-5968-4718

13:さすがにマゾっ気タップリのオーナーも耐えられなくなってきます。

14:クルマを手放そうにも、引き取り手はそう簡単にありません。(いまは解体業者もシビアです)

15:そんな困り果てたオーナーの元に朗報が届きます。近所の自動車屋が「タダなら・・・」と引取にやってきました。

16:また5にもどる。(あとは輪廻転生:笑)

 じつは、上の話に出てくる善意に解釈しちゃうお客様はシロウト時代の我々(岡本三兄弟)です。我ながらアホでした(トホホ・・・)。 コレが世に云う「安物買いの銭失い」ということなんだ・・・といまでは反省することしきりです。

 我々が自動車商売を始めるにあたっては、我が轍をお客様に踏まさぬ様になにかよい工夫はないものか・・・と討議を重ねました。 そこで出た一つの結論は「価格が多少高くても、程度の良い個体を仕入れ、販売納車時には所期整備をいささかオーバーに実施する。」といった、至極当然の結論でした。

 現在、不景気も長引く時節柄でもあり、車の購入を考えているお客様はどうしても「安いモノ安いモノ」へと目がいっているような気がします(お気持ちは重々わかります)。 しかし、この世にソレ1台しか存在せず、なおかつ、念入りなアフターフォローを必要とする中古車という商品の特性を是非ご理解頂きたいのです。

 中古車情報誌などを見たときに「同じ年式同じ色の同型車なのに一番高い車と一番安い車の間になぜこんなに価格差があるの?」と思われることも多いと思います。それが希少車の場合はもっと顕著になりますね。

 そこで、もうヒトつっこみして一番高い車と一番安い車の両方を御覧になって頂きたいのです。また、売ってるお店もチェック(信頼おけるか、アフターは出来るのか)諸経費やローン金利もチェックです。

 例えば、当店が専門のマセラティ等はその最たるものです。

 よく国産車中心の販売店などで激安のマセラティが店頭に並びます。中には我々が見てモノになりそうな個体もあります(でも、たいてい複数の不具合はあります・・・こうかかなきゃならんのが悲しい)。 しかし、その車を現状売りっぱなしで買うのは危険だと考えています。当店に御来店になり、こういったお話を重々させて頂いたにもかかわらず、結局ハマっちゃった方は大勢いらっしゃいます。

 その逆にそこそこの程度のものをラッキーな事に手に入れて、さしたる不満もなく乗っている方もいるようです。でもこのラッキーな方々には共通点があって、購入時に、やれ「この色はダメ」とか、 絶対に「この年式/車型でないと・・・」などといった、「ワガママ」を云わなかったということです。ハッキリ云ってどれもそんなにかわりません(泣笑)。希少車購入に、「ワガママ」は禁物です。

 そこで、上記に色々とヒントを書きましたが中古車購入の必勝法は・・・

1:自分の購入能力より1ランク下げた車にする(例えば、ガンディーニのクアトロポルテなら、エボ前の後期型に拘らず、前期型にするとか・・・)。

2:出来るだけ程度のよい物を買い、納車前にしっかり整備する(これは実費負担でも行う)。ローンを組む方にはことさらこれをお勧めします。正しいスタートラインを引くのが重要です。

3:納車後に発生したトラブルはそれがマイナートラブルのうちにすぐ直す。

4:定期点検/始業点検をマメに行う(これをやってる人はヒジョーに少ない)。

5:そしてリセールバリューなんてミミっちい事は考えず、どんどん乗って、エンジョイする(コレ大事)。

 ともあれ、中古車選びはやっぱり楽しいものです。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」(ナンチュウ結論)我々もお客様に「当てる様・当たる様」にいよいよ努力を傾けなけりゃなりませんネ。
・・・たぶんしばらくたつと続編ができる予定(カナ?)

つづけて、続・マイクロ・デポの中古車論を読む


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