Last update:2010.10.22
マイクロ・デポが折に触れて「カリフはいいぞ!」と力説しているにも関わらず、なかなかこのモデルの真髄を理解できる方は少ないようです。 ただし、このカリフ、不思議なクルマでして、数年に一度「是が非でも探して欲しい!」との切実なオファーを受ける車種なんです。
ワタシ(岡本)が考えるに、カリフは、あまたのビトルボマセラティの中でも、特化されすぎてて、一般受けしにくいんだろうなと思ったりするわけです。 また、所詮はスパイダーザガートのハードトップ版なんだろうといった(いぢわるなんだから、もう
:笑)見方もあろうかとは思います。
ブリスターフェンダーでも無いしな、ツインカムでも無いし、屋根もとれないし・・・。
・・・違うんですよ、チガウの(笑)!皆さん、カリフを誤解している。コイツはマゴうことなく「ラグジュアリースーパースポーツ」として生を受けた 生粋のサラブレッドです。「灼熱の風、カリフ!」ザガート生まれのショートホイールベース&補強タップリのボディに堅固な屋根をしつらえたわけですから、そのボディ&シャーシの 剛性感はビトルボシリーズ中「ピカイチ」の存在です。その小さなシェルに包み込まれたかのような「タイト感」こそコイツの信条、SOHCツインターボユニ ットにムチを入れれば豪快なオトコのための「ファイター」であることがイヤでもわかります。「洗練?なんじゃ、ソレ(笑)」いいの!粗野で、野卑で、野蛮で。 デリケートなZF製5段ミッションを「シクっ!」っとジェントルに「そっと叩きこみ(笑泣)」つつ「乗りこなす喜び」をとことん追求したくなってくるという 噛めば噛むほど味の出るマシンなのであります。
ハナシは20年以上も前のコトになりますが、路上ではじめてコイツに遭遇したのは、第三京浜(首都圏の高速道路です)の玉川バーリア。ワタシが料金を支払って おりましたら、トナリの車線から、「カタパルト射出!」の勢いでスッ飛んで行きましたのは「漆黒のカリフ」。ネガティブキャンバーの後輪は大地をシカと踏みしめて、 それは、もう「んーっ!カッチョいい!!(❤)」のひとこと。みるみる点になるソイツの後ろ姿を見つめながら、「いつかはオレも・・・」と思ったりしたモンです。
それが今じゃーねえ。ウチのお店でいったい何台のカリフを造りなおして売ったざましょ(笑)。メーカー公式発表で総製造台数221台だそうです、たったの。これは かのシャマルの半分の数字。やっぱ、ワタシたちは、三国一のシアワセ者なんでしょう(笑)ね、きっと。
もひとつおハナシしておくと、カリフのVIN番号(車台番号)はZAM339・・・で始まる17ケタでこれはシャマルと一緒です。カリフあってのシャマルであることは この一事をもってしても理解できようというものです。シングルカムビトルボの頂点に君臨するカリフ。ツインカムビトルボの極致シャマル。彼らは二卵性双生児と云えましょう。
「ビトルボフェスタ」にもカリフのエントリーは少なかった模様です。ビトルボマセラティと歳月をともにしてきたマイクロ・デポとしては、いささか寂しい気分ですね。
ちなみに、このカリフ、当店の在庫車情報にもあまり登場する機会はありません。良質車の絶対台数が少ないからです。
本当にクルマを分かるあなたにこそ手にして頂きたい、カリフ。今なら2台の在庫があります。いざ無くなると、程度の良い物を探すのは至難です。すぐにご来店・御試乗をどうぞ。
