ご存じの方も多いとは思いますが、この車はイタリア本国では「ランチア」なのです。それを「アウトビア
ンキ」なんかにしちゃった。これは推測ですが、なんでそうなっちゃったかというと、源流は「A112」
にあると思うんです。前任車の「アウトビアンキA112」は特にホットモデルの「A112アバルト」を中心
に80年代初頭の日本でバカ売れしました。新車時からプレミア価格になった時期もあり、並行輸入車
も大挙して入ってきていました(アラレちゃんとこのせんべい博士も乗ってました)。
で、Y10の輸入開始にあたってはその「A112」のブランドイメージを継承した方が商売がやりやすいと
判断したんでしょう(云うまでもなく、「A112」は本国でも真性のアウトビアンキです)。
ところがこれが裏目にでちゃった。車の性質があまりにも違っていたので「Y10」は「A112」のお客さん
を吸収できなかったわけです。これはあたりまえの事で、一言で云えば「ランチア」と「アウトビアンキ」の違いと云うほかはありません。
イタリアという国は階級社会なんです。だから実質的にはどのブランドも、もはやフィアット傘下なのに、
それぞれのブランドのお客さんのためにわざわざ別法人として独自の活動が許されているわけです。
クールな言い方ですが、フィアットの家に生まれたら普通大人になったらフィアットを買うんです。ランチア
の家の子はやっぱりランチアなんです。で、大変イヤミな話ですが「ランチア」と「アウトビアンキ」の間に
は途中に「アルファロメオ」「フィアット」がありますので階級が3段階も違います。だから良くも悪くも車の
つくりが違います。(この階級というのは個々の車の販売価格や善し悪しとはまったく関係がない事は
云うまでもありません。英国におけるバンテンプラ・プリンセス(ADO16)みたいなもんです。)要は趣味性の違いということでしょうか。
根が国産屋のディーラーにはこの辺の事がどうも理解できていなかったのではと思います。
第二に、日本国民に全く理解できないなりたちのまま持ってきちゃった、と云うことです。
日本で売るのに、なんでこんなにハンドルが重いの!車重は軽いのに・・・。
なにしろ、I.DE.Aのパッケージング実験車なもんでエンジンルームにみーんな入っちゃてるわけです。
スペアタイヤやジャッキまで・・・。そのかわり室内や荷室の有効スペースはこーんなに小さい車なのに
すばらしく使いやすい。その犠牲が前軸重量の過大と云う結果となって現れてしまったということです。
なんとかパワステ的なものを付けてほしかったなー。これで「警告!」。
またこんなに愛らしい車なので若いオンナの子にこそ、かわいく乗ってほしいのにAT設定がない・・・。
これじゃ、パワステの件と合わせ技で「一本!それまで!」に決まっています。
上記の諸々さえ改善されれば「ミニ」をも蹴散らす存在になれたのに・・・。(ミニにはATはある)
ともあれ、たとえ形(なり)は小さくとも「Y10」は「ランチア」なんです。走りの味も「ランチア」なら
よく見ればかわいい顔にも威厳を感じます。(前期型テーマにも似ているし、バンパーに埋め込まれた
フォグランプはマセラテイシャマル用と同型のキャレロなんですよ!)
ですから、ただ価格が安いからといった理由でおみえになったお客様に色々なお話をするとビビって買えなくなるようです。
(だから、商売ベタっていわれるんだよ!)
うちの考えでは「Y10」は「ランチア」だからボロは扱いたくないんです。また、きっちり整備してお乗りになるのを
お勧めしています。そうすれば、イタリアンアッパーミドルの世界を存分に満喫できるでしょう。
また、日本ではなぜかフィアットパンダが人気を維持していますが、価格が高すぎます。イタ車に正しく入門したい
お若い方にはぜひ「Y10」をお勧めしておきます。
出品番号3:ランチア プリズマ1.6i.e.またはインテグラーレ2.0(MT)
なんだかランチア系が続いちゃうなー。まあ、それだけ日本でのネームバリューがないことの現れでしょう。この車はコスト
と味わいの点では1.6がお勧め。1.5のATは間違っても買わないように。
2.0のインテグラーレは、1.6にくらべるとちょっとだけお金が掛かります。(ただし掛けただけのことはあります。)
イタリアンフルタイム4駆の味を安価に楽しみたい向きには絶好です。興味のある方はぜひ乗りにきてね(・・・ちょっと商売)。
「デルタ」はあんなに人気がでたのに、「プリズマ」は全然です。「デルタ」と「プリズマ」はワーゲン「ゴルフ」と
「ジェッタ」の関係みたいなもんで、ノッチとハッチの違いを除けば基本的にはたいして変わり
ません。この車、発表された時点ですでに古くさい(よく言えばクラシカルというやつ)姿形であったためいま目の前に
すると小さいながら荘厳なものを感じます。
「デルタ」を買おうとしている人に私はいいたい!それやめてこれにしましょう。
それで余ったお金で、インプレッサかランエボを新車で買えば「走りと味」のどっちも楽しめます。
インテグラーレは悪いのを買うと一財産失いますよ!
うちのお店に来店なさる、ちょっと病気系のお客様に「あなたの乗ってきた車はどんなのですか」とたず
ねると大概その輝かしい車歴の中に「プリズマ」の名が出てきます。或いは買おうとしたことがあると・・・。
やっぱり分かってる人は分かってるんですね。
ちなみにこの車の兄弟車には「フィアットレガータ」というのがいますが、こいつは止めといた方が無難でしょう
(でもこういうのを選んじゃうあなたがすきです!)。
ただしこの「プリズマ」、程度の良い物を探すのは絶望的に困難になってきました。よい個体をお持ちの方は大事にしていて下さい。
出品番号4:フィアット ウーノターボi.e.(MT)
こんどはフィアットです。イタリアを代表する企業体の名前を頂きながら、この日本では全くマイナーブラ
ンドに甘んじていますが、本気を出すとやっぱりいい物作ります。コイツの105馬力(フェイズ1)は本物です!小さなボディで
めちゃこら速い!イタリアの魂を感じます。
ちょっと大人の115馬力(フェイズ2)も人気薄の分お買い得ですが、だいぶん素性がマニア諸氏にバレてきたらしく、
程度の良いものは価格が上がり始めています(むしろ今まで過小評価されてきたとも云えます)。シートは絶品。走りは最高です。
アルファ145なんかやめてコレにしましょう。
ただし、安物とバカにしているとえらい出費になります。よい個体を見つけて手に入れたらすかさず整備です。オイル類も良い
ものを奢りたいものです。
ご案内のように、これも上物は少ないです(格安で売られている車の状態はぜひみてください・・・涙がでます)。
出品番号5:フィアット ティーポ全部(AT/MT)
風格漂う不人気ハッチ。もはやこのすばらしさは見ないとわからないんだけどなー。
とにかく近代イタリアンデザインの粋といえましょう。特にデジタルメーター付のDGTi.e.はわけわかんない指数が
最高得点です。やっぱりフェイズ1(前期型)がいいですな。
番外篇:選に洩れたくるまたち
フィアット クロマターボ2.0i.e.(わけわかんない指数は最高点だが、維持費がちょっと・・・。)
ランチア テーマターボ2.0i.e.(わけわかんない指数は高いが、維持費がちょっと・・・。)
アルファロメオ164(わけわかんない指数が低い、割高感もある。)
アルファロメオ75(わけわかんない指数は高得点だが、いかんせん部品が高すぎる!)
・・・この辺に半端なお金を掛けるなら、いっそマセラテイへどうぞ!(こんな事云うのはうちだけだな・・・)
フィアット レガータ(味の点でちょっと・・・どうせやるならプリズマでしょう。)
フェラーリ モンディアル8(わけわかんない指数は高得点だが、一応このコーナーは総額100万までを目安に
しているからなあ・・・だけど、気になるくるまです。)
ランチア ベータクーペ(ほぼ、絶滅状態)
・・・というわけでこの項はとりあえずおわりですが、このコーナーはまだまだ続きます。乞うご期待!
つづけてネオクラシックイタリアンカーの世界:2を読む